今年、初めてのブログ更新。お正月気分もあっという間に終わり、先週より、忙しく働いております。HP「薬膳ノート」も、早いもので開設3年目。「薬膳ノート」は暦に従い、2月の立春を節目に、新しいテーマを設けています。
2014年のテーマは、「日本の食文化と薬膳」。薬膳の基本は中国医学ですが、日本には日本独自の食文化、健康食、養生の知恵がある。それを自分の足、目、舌で探りながら、薬膳ワールドをより深めたいと思っています。なにせ、私の趣味はマラソン! フットワーク軽く地方に走りに行き、楽しく学び、味わい、美容・健康に役立つ情報を発掘していきます!
さて今日は、年末、奈良で体験したエピソードを披露します。
まずは下の写真をご覧ください。
左は、奈良駅近くの薬膳料理屋さんで食べたお弁当、右は大願寺というお寺の薬膳レストランでいただいた薬膳料理の一皿。茗荷のような形をした花は、「金針菜(きんしんさい)」です。
金針菜は、中華食材コーナーに行けば乾物が手に入ります。鉄分やカルシウムが豊富で、薬膳ではむくみ、不眠、イライラにいいとされています。これまで中華料理でしか食べたことのなかった金針菜が和の薬膳に使われている! そんな新鮮な喜びを感じていた私ですが、店主の料理の説明に、「え?」と耳を疑う瞬間が…。
「金針菜は、“かんぞう”の花のつぼみです」という一言でした。
漢方や中医学をかじった人にとって、“かんぞう”といえば「甘草」。さまざまな漢方薬に入っている甘草をまず思い出すものです。
「金針菜が甘草の花? うそでしょ?」
私の心は瞬時に反応しました。
ところが、よく調べてみると、それは単なる私の無知だったことが判明。金針菜は、日本では「萱草(かんそう・かんぞう)」の名で呼ばれ、「忘れ草」として和歌にも登場する野の花だったのです。
「これまで中華のイメージが強かった金針菜が、ググッと身近なものに感じられました。
中医学の知識として覚えた薬膳食材の中は、日本国内で別の形、別の名前で親しまれているのもがいろいろあるようです。知れば知るほど、食材との距離感が縮まり、いろいろ使ってみたくなります。
昨年は、和食が世界文化遺産に。そんな誇らしい日本の食文化の中に、中医学と縁の深い薬膳食材を見つけてみたい! 今年はそんな意気込みでやっていきます。
コメントをお書きください