上海にいる日本人ビジネスマン向けのフリーマガジン『CITY BROS』で、3年前から「ビジネス中医学」というコラムを書いています。 先日、編集部よりこんな依頼がありました。
「ビジネスマン向けに、薬膳を取り入れたお弁当を作って、写真を送ってください」
お弁当。作るのはいいけど、でもなんで今、お弁当なのだ??
理由をきいて納得。それは、日中関係と深~い関わりがありました。
上海のビジネス街には、たくさんの日本食レストランがあるのですが、日中関係の悪化に伴い、クローズしてしまっている店が多いそう。お気に入りの店を失ったビジネスマンたちが、さびしい昼食難民になってしまっているというのです。
こんなときこそ、お弁当。
しかも、せっかく中国にいるのだから、薬膳の考えを生かした体にいいお弁当を持っていこう! というわけで立ち上がったのが、この企画なのです。
写真は、私が作ったお弁当。
きのこごはん、山芋の豚肉巻き、レンコンのきんぴら、アスパラの胡麻和え、そして卵焼き。乾燥しがちな秋におすすめの「滋陰」と「補気」をメインに食材を選びました。ふだんお弁当を作りなれない私ですが、それにしてはよくできたのでは??
今、日本はお隣の国々との間で複雑な問題を抱えています。薬膳や仕事関係で、中国や韓国の方々と交流することの多い私にとっては、とても悲しい現状。おそらく問題自体の解決には多くの時間が必要となってくるでしょう。
そんな今、中国薬膳の知識を生かした和のお弁当作った私。食、養生という“文化”を通じた交流は、こうした何気ないことで温め、保っていけるのではないかと感じました。編集部からの要望が、私にひとつの気づきを与えてくれました。
お弁当の記事は、11月発行の『City Bros』に掲載されます。上海にいらっしゃる方は、ぜひご覧ください。
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