10月20日(土)、横浜で活動しておられる「薬膳健康づくり研究会」主催の講演会をききにいきました。講師は横浜薬科大学 漢方薬学科 准教授の小松一先生。薬学博士であり、鍼灸専門学校も卒業された漢方のプロです。
栄養士会が主催ということもあり、「参加者は少なからず薬膳の知識のある人」という前提で内容を決められているよう。非常に充実した、中身の濃いお話をうかがうことができました。
「酸・苦・甘・辛・鹹」の五味の話では、それぞれの性質・働きから一歩踏み込んで過食したときの問題について。
食材や生薬の話では、生姜を氷といっしょにとったり、薏苡仁をカニやメープルシロップをとともに料理したりしても効果が発揮されないこと、また茯苓は朮(白朮、蒼朮)と合わせないと利水効果が期待できなくなることなど、「なるほどね~」と思う内容がいろいろありました。
特に興味深かったのは、山芋、羊肉、小麦といった食材が、いろんな漢方薬の中に入っているという話。学校では、「この薬の中身はこれとこれ」という風に薬を起点にした覚え方をしますが、反対に「この食材(生薬)はこういうときに使う薬に配合されている」と逆引きしてみると、別の角度から食材の特徴を知ることができます。私がこれまで気が付かなかった方法で、これはなかなか面白い! やってみようと思いました。
ところで、小松一先生は虚弱体質でおなかが弱いとのこと。お話からうかがうに、折り紙つきの「元祖草食系男子」とお見受けしました。漢方に興味のある人には、なぜ、こういうタイプの方が多いのだろうか…。虚弱な人が養生すれば長生きでき、逆に丈夫な人が不養生から突然倒れるという話がありますが、これってホント。先生を見て、しみじみ感じたのでした。
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