1月20日 <大寒>
「大きく寒い」と書く大寒。一年で最も寒い日です。その名前どおり、日本では各地で大雪が。防寒インナーやタイツが、毎日手放せないのではないでしょうか。衣服や暖房で外から暖めるのもいいけれど、同時に内臓も温めてあげることが大切。内臓を温め、体内のめぐりをよくすれば、肌のハリ・つやもよくなるし、免疫力UPにもつながります。いちばん寒い<大寒>を過ぎると、自然界は徐々に春に向かい始めます。
毛穴をキュッと引き締めることは、免疫力アップにつながります。寒いからと室内でぬくぬくしすぎると、体温調節機能が低下するから要注意。1日1回は冷たい外気に触れ、毛穴トレーニングをしましょう。食生活では、「気」を補うこと、おなかを温めることと同時に、春に向けて「陽の気」を補うものを取り入れて。
●「気」を補う鶏肉、きのこ、穀類で免疫力をサポート
●冷たい外気にあたり毛穴のトレーニングを!
●「陽の気」を補うえび、くるみ、黒い食べ物を取り入れる
【材料】
米 2カップ
黒米 10g
桜えび 20g
しょうが 1片
酒 大さじ1
塩 小さじ1
だし昆布 7cm程度
くるみ 30g
三つ葉 少々
【作り方】
①米は研ぎ、黒米と一緒にザルに上げる。しょうがは千切りに、くるみは粗く砕き、三つ葉は1cm長さに切る。
②炊飯器に米、酒、塩、桜えび、しょうが、だし昆布、調味料を入れ、ふつうの水加減で炊く。
③炊き上がったらくるみを加えて混ぜ、茶碗に盛ったら三つ葉をのせる。
ONE POINT⇒えび(温/甘/肝・腎・脾・肺)は、五臓の「腎」に作用し、陽気を補う食材。くるみ(温/甘/腎・肺・大腸)も、同じ陽気を補う食材で、手足の冷えにおすすめです。米(温/甘/脾・胃・肺)は、「気」を補う食材ですが、黒い米を加えることで「腎」への作用が期待できます。「腎」は、ホルモンや生殖をつかさどる臓器。補えば老化防止に!
【材料】(2人分)
鶏手羽元 6本
しょうが 3片
エリンギ 2本
えのきだけ 1パック
舞茸 1パック
ねぎ 2本
塩 小さじ1強
酒 大さじ1
みりん 小さじ1
黒粒こしょう 適量
【作り方】
①鍋に鶏肉、ねぎの青いところ、しょうがの皮を入れ、水リットルを加えて日にかける。沸騰したら塩を加えて30分煮る。その間、しょうがをおろし、舞茸、エノキダケは小房に分け、エリンギは薄切りに、ねぎは斜め薄切りにする。
②鶏肉が柔らかくなったら、おろし生姜を加えてさらに30分煮る。
③きのこを加え、しんなりしたら、ねぎ、黒粒こしょうを加えていただく。
ONE POINT⇒鶏肉(平(温)/甘/脾・胃)は、消化器官を元気にする性質が。しょうが(微温/辛/肺・脾)は、たっぷり入れ、じっくり加熱することで温め作用がさらに高まります。免疫力にはたらきかけるキノコ類をたくさん入れるのがポイント。
1月5日 <小寒>
お正月明け最初の節気。<小寒>はいわゆる“寒の入り”で、<小寒>から<節分>までが“寒”の期間になります。寒さはこれからが本番。霜が降り、池の氷が厚みを増し、気温が氷点下になることも。冷え対策を徹底しながら、免疫力を高め、冬かぜをひかないように気をつけることが大切です。特に、体がゆるみがちな正月休暇明けは、油断大敵です。
免疫力のもとになるのは、生命エネルギーである「気」。寒さが厳しくなると、体を温める陽気が低下し、気の運行も活発でなくなります。この時季は、温かいもので気を補うことを心がけて。「かぜをひいたかな…」と思ったら、生姜やねぎなどをたっぷりとることで、早めにかぜの邪気を追い出しましょう。
●温め作用のある食材(ニラ、にんにく、くるみ、エビ、スパイス類など)をとる。
●のどがイガイガしたら呼吸器にきく食材((金柑、銀杏、ハチミツ、生姜、ねぎなど)で早めにケアを。
●寝る前にお風呂で体を温め、睡眠不足を防ぐ。
【材料】
●金柑のハチミツ漬け
金柑 15~20個
ハチミツ 30㏄程度
レモン 1/2個
生姜 1片
シナモンスティック
(またはパウダー)
【作り方】
①金柑はヘタをとり、ボウルに入れて熱湯をかけ、5分程度おく。横半分に切って、種を取り除く。
②生姜は皮をむいて繊維を断つようにスライスする。レモンはよくあらってスライスする。
③密閉容器に①②を入れ、金柑がかぶる程度のハチミツを入れ、冷蔵庫で保管して1週間ほど漬け込む。
④金柑、生姜、漬けたハチミツを茶碗に入れ、熱湯を注ぐ。シナモンスティック(またはパウダー)で香りづけしていただく。
ONE POINT⇒金柑(温/辛・甘/肺・脾・肝)は、気を巡らす働きがあり、咳や痰にいい食材。ハチミツ(平/甘/脾・肺・大腸)は、喉を潤し空咳に効きます。生姜(微温/辛/肺・脾)は肺を温める作用があり、冬のかぜに◎。シナモン(大熱/辛・甘/腎・脾・肝)を加えることで温める作用が増します。
【材料】(2人分)
生鮭の切り身 1枚
塩 少々
しめじ 1/2パック
えのき茸 1/2パック
しいたけ 2枚
三つ葉 2株
ぎんなん(缶詰)10個
酒 小さじ2
しょうゆ麹 小さじ1
【作り方】
①鮭は両面に塩をふり30分おいてから水気をふき取る。しめじは小房に分け、えのき茸は根元を切ってバラし、椎茸は石づきをとってスライスする。三つ葉は3cm長さに切る。
②クッキングペーペーに鮭、しょうゆ麹、きのこ、三つ葉に茎、ぎんなんをのせ、酒小さじ1をふって包む。
③オーブントースター(高温)で、15分程度蒸し焼きする。
ONE POINT⇒鮭(温/甘/脾・胃)は、体を温める作用のある魚で、とくにおなかの冷えにおすすめ。キノコ類(平/甘/胃)は、気を補う作用があり免疫力をサポートします。三つ葉(温/辛/)は、血のめぐりを助け、咳や痰に◎。銀杏(平/甘・苦・渋/肺・腎)は、肺の気を収斂させる作用があり、咳・ぜんそくに効果があります。
12月21日 <冬至>
一年で最も昼の時間が短くなる当時。陰気が極まり、これから徐々に自然界は春に向かいます。とはいえ、寒さはこれからが本番。寒さに負けず、春の芽吹きに備えるのがこれからのテーマ。そんな<冬至>には、ゆず湯、冬至かぼちゃなど、この時季の体を考えた習慣が伝えられています。古きよく食習慣に合わせ、冷えと疲れを癒しましょう。
この時季の悩みといえば、寒さ、そして年末年始の疲れ。お酒を飲む機会が多い頃ですが、暴飲暴食で胃を傷めると、エネルギー代謝が鈍って体を温める働きが低下してしまいます。特にこの時季は、自然界の陽気が「底」。胃腸をいたわりながら、体を温める力を補うことが第一です。
●羊肉、くるみ、えび などの温める力を補うものを
●おなかをいたわる かぼちゃ、イモ類、穀類を
●香辛料でおなかを温める
【材料】(2人分)
小豆 200g
(つくりやすい量)
かぼちゃ 200g
くるみ 100g
メープルシロップ 大さじ2
シナモンシュガー 少々
バター(無塩) 20g
【作り方】
①小豆は水で洗い、たっぷりの水でゆでる。沸騰して30分ほど煮たらいったんゆで汁を捨て、新しくたっぷりの水、砂糖大さじ2~3を加えて1~2時間コトコト煮る。(大変なら缶詰のゆであずきでOK)
②かぼちゃは皮をとって一口大に切る。くるみは大き目に砕く。
③フライパンにバターを溶かし、カボチャを入れてソテーする。柔らかくなってきたら、くるみ、メープルシロップ、水大さじ2を入れてフタをし、蒸し焼きにする。
④かぼちゃが柔らかくなったらゆでた小豆大さじ3程度、シナモンシュガーを加えてざっくり混ぜる。
ONE POINT⇒冬至に食べるかぼちゃ(温/甘/脾・胃)は、おなかの疲れや便秘に◎。くるみ(温/甘/腎・肺・大腸)は、体を温める陽気を補う食材で冷えにおすすめ。シナモン(熱/甘・辛/腎・脾・肝)を加えることで温め効果がUPします。小豆(平/甘・酸/心・小腸)は水分代謝をよくするので、冷えや胃腸の疲れによるむくみに有効です。
【材料】(2人分)
ラムチョップ 4~6本
にんにく 1片
しょうが 1片
ヨーグルト 50ml
はちみつ 大さじ1
しょうゆ 大さじ1/2
塩・こしょう 少々
パセリ 適量
ブロッコリー 1/2株
じゃがいも 2個
ベビーリーフ 適量
【作り方】
①ラムチョップは両面に塩・こしょうをしておく。にんにく、しょうがはすりおろす。パセリは葉をちぎってみじん切りにする
②ビニール袋にヨーグルト、はちみつ、しょうゆと①を入れて口を縛り、よくもんで2時間以上漬け込む(一晩つけてもOK)。
③フライパンに油をしき、ヨーグルトを軽くおとした②を並べて両面を焼く。
④器に③を盛り付け、付け合せにゆでたブロッコリー、じゃがいも、ベビーリーフを添える。
ONE POINT⇒羊肉(温/甘/腎・脾)は、肉の中でも温め作用が強い肉。冷え症に最適で、老化防止にもいいといわれています。にんにく(温/辛・甘/脾・胃・肺)、しょうが(温/辛/肺・脾)も温める作用があります。香味野菜のパセリには、気を巡らす働きが、付け合せのブロッコリー(平/甘/腎・脾・胃)は、疲れた体を元気に!
12月7日 <大雪>
寒さが一層厳しくなり、山々が雪で真っ白になる頃。日本には「大寒波」が到来し、ブーツやダウンが手放せない季節になりました。これから年末にかけては、忘年会やクリスマスパーティが目白押し。おいしいものを食べすぎたり、お酒をたくさん飲んだりして、胃腸や肝臓がお疲れ気味になします。忙しい年の瀬を元気に乗り切るためには、内臓のケアが重要です。
食べ過ぎると、胃が熱を帯びて消化機能が失調。胃の機能が亢進して食欲が止まらず、暴飲暴食のクセがついてしまいます。しかし、消化吸収をつかさどる「脾」の働きは弱るため、食べたものが停滞。さまざまな不調の原因になります。そこで、消化吸収を助ける食生活を心がけましょう。
●消化を促す「消食類」(大根、かぶなど)をとる。
●脾胃を元気にする「補気類」(鶏肉、米、イモ類など)をとる。
●気を巡らす食材(かんきつ類、そばなど)をとる。
●適度に冷やす食材を取り入れ、胃にこもった余分な熱をとる。
●脂っこいもの、生ものは控え、胃に負担のかからない汁物を。
【材料】(2人分)
鶏手羽元 6本
大根 150g
白菜 2枚
ねぎ 1本
生姜 1/2片
塩 小さじ1/2強
ごはん 1膳
しょうゆ 少々
黒こしょう 少々
【作り方】
①ねぎは5cm長さに切り、しょうがは薄切りに、大根は大き目の乱切り、白菜は食べやすい大きさに切る。
②鍋に鶏肉と水1リットル、ねぎの青いところ、しょうがを入れて火にかける。沸騰したら大根を入れ、あくをとりながら30分煮る。
③塩、ねぎ、白菜を加えてさらに5~10分煮込む。
④ごはんを小さ目のおにぎりに握り、両面にしょうゆを塗ってフライパンでこんがり焼く。
⑤器におにぎりを入れ、鶏肉、大根などスープの具を持ったら、上からスープをかける。黒こしょうをふる。
ONE POINT⇒鶏肉とごはん(平/甘/脾・胃)は、消化機能をつかさどる脾を元気にします。大根(涼/甘・辛/肺・胃)は消化を促し、食べたものを下に降ろします。白菜(平/甘/胃・大腸)は、胃の熱を取り除きお通じをよくしてくれる野菜です。
【材料】(2人分)
しじみ 300g
わかめ(乾燥)20g
昆布 5cm
酒 大さじ1
白みそ 大さじ2
豆乳 150ml
ゆずの皮 少々
【作り方】
①しじみは洗って鍋に入れ、昆布と水300mlを加えて1時間おく。わかめは水でもどす。
②①を火にかけ、5分程度煮る。昆布を取り出し、酒でゆるめた白みそを加えて温める。
③豆乳を加えてひと煮したら、器に盛り付けゆずの皮をのせる。
ONE POINT⇒しじみ(寒/甘・鹹/肝)は、熱を冷まして解毒を促す食材。(薬膳とは関係ありませんが)肝臓の解毒機能に働くオルニチンというアミノ酸が豊富です。わかめ、昆布などの海藻(寒/鹹/肝・胃・腎)は、停滞した水分や脂肪を降ろす力があります。豆乳(平/甘/肺・大腸・膀胱)は、便通をよくしたり利尿を助ける食材。飲みすぎたときのデトックスにおすすめのスープです。
11月22日 <小雪>
めっきり空気が冷たくなり、舗道に枯れ葉が舞い落ちるようになりました。今日は<小雪>。平地にも初雪が降りだす季節です。年末年始に向け、寒さはいっそう厳しくなります。寒さの邪気は、体内の巡りを滞らせ、肩こりや手足の冷え、顔のくすみなどの原因をつくる厄介な存在。温め、巡らす体の機能をしっかり補っておきましょう。寒さが本番を迎える前から、日々のケアを心がけることが大切です。
体を温める「陽気」を補う食材を使い、温め機能をサポート。陽気を補う食材(補陽類といいます)には、老化にかかわる腎の機能を助けるため、アンチエイジング効果も期待できます。体には内臓につながるツボが集まる経絡が走っていますが、経絡の流れが滞ることも冷えの原因に。パソコン作業などで体がかたくなっている人は、一日の終わりにストレッチをするなどして、体をほぐしましょう。
●補陽作用のある食材(くるみ、エビ、羊肉など)をとる
●気を巡らす食材(たまねぎ、柑橘類、香味野菜など)を加える
●ストレッチをして体をほぐす
【材料】(20個分)
むき海老 150g
ニラ 1/2把
キャベツの葉 3枚
生姜 1片
片栗粉 小さじ1
ごま油 小さじ1弱
中華スープの素 小さじ1/2
塩 小さじ1/2
紹興酒 小さじ11/2
餃子の皮 20枚
酢・しょうゆ 適量
【作り方】
①むき海老は包丁でたたいておく、ニラは1cm長さのざく切りに、キャベツは下ゆでして刻み、水気をよく絞る。レンコンは酢水につけてからあらみじん切りに、しょうがはすりおろす。
②①と片栗粉、調味料をボウルの入れてよく練り合わせる。
③餃子の皮で②をつつみ、蒸し器で蒸す。
ONE POINT⇒えび(温/甘/肝・腎)は、陽気を補い温め作用のある食材。ニラ(温/辛/肝・胃・腎)も温め作用の強い食材。特におなかを温めます。気を補うキャベツ(平/甘/脾・腎)は、巡らす力をサポート。2つの食材とも、冬に負担が大きくなる腎に作用します。
【材料】(2人分)
米 1/2カップ
くるみ 15g
ポルチーニ(乾燥) 5g
エリンギ 小1本
鶏肉 50g
にんにく 1/2片
唐辛子 少々
オリーブ油 大さじ1
塩・こしょう 少々
パスミジャーノチーズ 適量
万能ねぎ 少々
【作り方】
①米はサッと洗ってざるに上げる。エリンギ、くるみは粗く刻み、ポルチーニは水で戻す。鶏肉は5㎜くらいの大きさに切る。にんにくはみじん切り、唐辛子、万能ねぎは小口切りに。
②鍋にオリーブオイルを熱し、にんにく、唐辛子を入れて炒める。香りがたったら米、鶏肉を加えて炒め、米が透き通ってきたらポルチーニ、くるみを加え、水1/2カップを加えてフタをして煮る。
③こげつかないようにときどきなべ底から混ぜ、少し芯が残るくらいまで炊けたら塩・こしょうで味を調える・
④皿に盛り付け、チーズと万能ねぎを散らす。
ONE POINT⇒くるみ(温/甘/腎・肺・大腸)は、陽気を補い体を温める。腸を潤し便通を改善する効果も。きのこ類は気を補い、巡らす力をUP。唐辛子、にんにく、ねぎなど温め効果のある食材をプラスして寒さに負けない体に。
11月7日 <立冬>
日が沈むのは早くなったな…と感じるこのごろ、暦は今日から冬です。コートを着るにはまだ少し早い気がしますが、これから日一日と空気が冷え込んできます。寒さと戦いながら忙しい師走を乗り切るために、体のエネルギーをしっかり補っておきましょう。秋から続く乾燥と、冷たい空気の影響で、かぜをひきやすくなります。肉、魚など、補う力のあるものをとることで、抵抗力も高まります。
食事では、体を動かすエネルギーである「気」を補うことが大切。特に動物性の食材は、補う効果が高いのでおすすめです。免疫力を高めるには、体のバリア機能を果たす皮膚を鍛えることも大切。いきなり暖房で部屋を暖めすぎに注意しましょう。この時季は、適度な運動をしたり、衣服で調節したりし、極力、自力で寒さをしのぐようにして。
●鶏肉、魚(サバ、ぶりなど)など補気の食材をとる
●唐辛子、にんにんくなどの温め食材、たまねぎなど、気を巡らす
食材を組み合わせる
●暖房をきかせすぎない! 体を動かす!
【材料】(2人分)
鶏ひき肉 80g
ねぎ 2cm
にんにく 1/2片
酒 小さじ1/2
薄口しょうゆ 少々
塩・こしょう 少々
マッシュルーム 6個
長芋 80g
パプリカ(赤・黄) 各1/4個
オリーブ油 大さじ1
【作り方】
①ねぎはみじん切り、にんにくはすりおろし、鶏ひき肉、酒、薄口しょうゆ、塩・コショウとともに練り合わせる。
②マッシュルームは軸を切り落とし、裏側に小麦粉をふる。
③マッシュルームの裏側に①の種を丸めながらくっつけ、肉との境目に小麦粉をつけておく。
④山芋は3cm角切りにして5分程度塩ゆでする。パプリカは一口大に切る。
⑤フライパンにオリーブ油をしき、③をころがしながら焼く。色が変わったら、長芋とパプリカを加え、フタをして蒸し焼きにする。
⑥焼き上がったら楊枝を刺して盛り付ける。
ONE POINT⇒鶏肉(平/甘/脾・胃)は、エネルギーを与える補気の食材で。胃腸を丈夫にして疲労回復を助けます。マッシュルーム(平/平/胃)は、免疫力を高める作用が、長芋(平/甘/脾・肺・腎)も補気の食材でアンチエイジング効果が。温め作用なるパプリカ、にんにく、ねぎを加えて冬向けに。※ぶりは日本の魚なので、似た魚の分類を参考にしました。
【材料】(2人分)
ぶり(切り身) 2切れ
片栗粉 小さじ2
しょうが 1/2片
塩 少々
たまねぎ(小) 1/2個
ピーマン 1個
唐辛子 1本
寿司酢 小さじ1
だし汁 小さじ1
【作り方】
①しょうがをおろす。ぶりは両面に塩、しょうがのしぼり汁をふり、30~1時間おく。
②寿司酢、だし汁を混ぜておく。
③ピーマン、たまねぎは繊維に沿ってスライス、唐辛子は種をとって小口切りにする。
④①の汁けをキッチンペーパーでふきとり、食べやすい大きさに切る。全面に片栗粉をまぶし、170℃の油で揚げる。
⑤保存容器に③、ぶりを入れ、②をかけて1時間以上おく(一晩おいてもOK)。
ONE POINT⇒ぶり(平/甘/脾・胃※)は、補気の食材。補った気を巡らすたまねぎ、温め作用のあるピーマン、唐辛子といっしょにすることで、さらにパワーアップを図ります。酢の酸味には収斂作用があるので、毛穴を引き締め、補ったものを外に逃がさないようにします。
10月23日 【霜降(そうこう)】
秋が深まり、木々の葉が紅や黄色に染まりだす季節。高い山からは初雪の知らせが届くようになりました。晴れた日中はポカポカと暖かいのに、日が暮れると一気に冷え込むのがこの時季の特徴。夜、薄着をして寝るとかぜをひきやすいから注意したいですね。とくに気を付けたいのがおなかの冷え。冷えが脾胃を傷めると、食べたものを消化吸収する力、栄養を届ける力が低下し、肌のハリ・つやダウンにつながります。
暦の上ではもうすぐ冬。この時季におなか(脾胃)を冷やすと、体の代謝が悪くなり、冬の寒さや乾燥に立ち向かえなくなります。代謝の低下は、溜め込みやすい体をつくる原因にもなるので要注意! 体、特におなかを温める食材を意識してとり、脾胃に力をつけていきましょう。体を冷やすものは極力控えめにすることも大切です。
●体を温める温裏類(内臓を温める)、補陽類(陽気を補う)を
●体を動かすエネルギーを補う補気類をとる
●適度な運動と、服装の調節を心がける
【材料】(2人分)
しし唐 6~8本
ちりめんじゃこ 10g
花椒 4~5粒
だし汁 50㏄
三温糖 少々
薄口しょうゆ 少々
【作り方】
①しし唐は爪楊枝で2~3か所穴をあける。
②鍋にだし汁、三温糖、薄口しょうゆを入れて温め、①を入れる。
③フタをして2~3分煮て、しし唐がしんなりしたらちりめんじゃこを加え、サッと煮たら出来上がり。
④器に盛りつけ、個のみで軽く砕いた花椒を散らす。
ONE POINT⇒しし唐(熱/辛/心・脾)は温め効果が非常に強く、消化機能を助けます。花椒(温/辛/脾・肺・腎)には、おなか(脾胃)の冷えをとる作用が。ちりめんじゃこのイワシ(温/甘)は、気と血を補う作用のある魚です。※温め効果の強い食材を使っているので、肌が乾燥しやすい人や、ニキビのできている人などは食べ過ぎないように注意。
【材料】(2人分)
じゃがいも 小2~3個
ブロッコリー 1/2房
くるみ 6粒
マスタード 大さじ1
はちみつ 小さじ1
オリーブオイル 小さじ1
ワインビネガー 小さじ1/2
塩・コショウ 各少々
【作り方】
①じゃがいもは皮ごとゆでて皮をむき、食べやすい大きさに切る。ブロッコリーは小房に切り分け塩ゆでし、冷水にとって上げておく。
②くるみ(生)は、フライパンでカリッとするまで乾煎りする。
③ボウルにマスタード、はちみつ、オリーブ油、ワインビネガー、塩・コショウを入れて混ぜ、①と②を加えてあえる。
ONE POINT⇒じゃがいも(平/甘/胃・大腸)、ブロッコリー(平/甘/腎・脾・胃)は、ともに気を補う食材。くるみ(温/甘/腎・肺・大腸)は、陽気を高める性質があります。ソースにもマスタード、はちみつを使い補う力をUP! ※ブロッコリー(キャベツ、カリフラワーも)は補気食材の中でも腎に入る性質があるため、冬におすすめ。
10月8日 <寒露>
ついこの間まで夏服で汗をかいていたのに、最近は寝るときにも薄手の毛布が必要に。<寒露>は朝、草に冷たい露がつくようになる季節です。今年は、3連休と体育の日にぶつかり、スポーツに汗を流す人も多いよう。ランニングが趣味の私も、冬のマラソンシーズンに向けて「練習開始!」モードに切り替わりました。そんな矢先、いつも快調だったお通じが……。そう、この時季、便秘に陥る人が意外と多いのです。
秋は乾燥の季節。ただでさえ、体が乾燥しがちになります。汗をかく夏は、水分補給を十分に行っていましたが、涼しくなってくると自然と飲む量が減ってきます。気持ち良い秋の天候に導かれ、走ったり、動き回ったりして汗をかけば、さらに体はカラカラに。秋の便秘は腸が乾燥することによって起こるのです。そこで、潤いを補う食材をしっかり補給しましょう。
●滋陰効果のある食材(豚肉、乳製品、ゴマなど)をとる
●リンゴ、瓜類など腸を潤す食材をとる
●適度な運動を心がける
りんご 1/2個
さつまいも 100g
白ワイン 大さじ1
はちみつ 大さじ2
メープルシロップ 少々
ホットケーキミックス 60g
卵 1個
マスカルポーネチーズ 60g
牛乳 50㏄
バター 大さじ1
粉糖(飾り用)
【作り方】
①りんごは皮をむき、芯をとって薄めのいちょう切りに、さつまいもも皮をむき薄めのいちょう切りにする。
②鍋にりんご、さつまいも、白ワインを入れて火にかけ、水が出てきたらはちみつを加えて煮る。水分が少なくなってきたら水を足しながら20~30分煮て、とろとろになったらメープルシロップを入れてひと煮する。
③ボウルにホットケーキミックス、卵黄、牛乳、マスカルポーネを入れてよく混ぜる。別のボウルで卵白をよく泡立て、生地に混ぜる。
④フライパンにバターを敷き、③をスプーンで広げて両面を焼く。
⑤器にパンケーキをのせ、②をかけて粉糖をふる。
ONE POINT⇒りんご(甘・微酸/涼)は潤す効果のあるフルーツ。便通を改善する作用も、下痢を止める作用もあります。さつまいも(平/甘/肺・脾・腎・肝)は気を補う食材で腸を潤し便秘を改善します。チーズ(平/甘・酸/肺・肝・脾)にも便通改善効果が。
【材料】(2人分)
枸杞子 30g
レーズン 50g
赤ワイン 100㏄
黒砂糖 大さじ1/2
豚ロース肉 160g
塩・コショウ 各少々
片栗粉 小さじ1
しょうが 1片
しょうゆ麹 大さじ11/2
かぼちゃ(小) 1/2個
サラダほうれん草 適宜
【作り方】
①枸杞の実ソースを作る。枸杞子とレーズンは水に浸してやわらかくなるまで戻す。鍋に枸杞子、レーズン、赤ワインを入れて火にかけ、黒砂糖を加えて水気が1/4程度になるまで煮る。
②豚肉は両面に塩・コショウし、片栗粉をまぶす。しょうがはおろしてしょうゆ麹と混ぜておく(たれになる)。
③フライパンにオリーブ油をしき、スライスしたかぼちゃを焼く。
④フライパンで豚肉の両面を焼き、最後にたれを回しかけてからめる。器に盛り付け、①をかける。
ONE POINT⇒豚肉(平/甘・鹹/脾・胃・腎)は潤いを与え、便秘を改善。枸杞子(平/甘/肝・腎・肺)も潤す食材、レーズン(平/甘・酸/脾・肺・腎)は血を補う性質があります。ほうれん草(平/甘/胃・大腸)は補血の食材ですがお通じの改善に◎。消化器官の脾・胃をいたわるしょうが、カボチャといっしょに。